美容師をしていると、お客様から
「仕事で明るく出来ないんです」
というワードを4億回くらい聞きます。
ブリーチして明るくしたり、鮮やかな色で染めたり、髪色を本当の意味でカラフルに楽しめるのは一般的にはごく限られた職種だなと思います。
カラーリングだけじゃなく、校則に代表されるような、髪型でも謎の縛りを用いて大衆をコントロールする風習も未だに残っています。
今に始まった事じゃないので、もう当たり前のように(諦めて)受け入れてしまっている方がほとんどかも知れませんが、僕は割と毎回そういう現場に遭遇すると心苦しくなるし、パンクロックしたくなる心情に駆られます。
そこで今回は、そんな日本における【髪色・髪型論争】に対して、よくある常套句を用いてQ&A方式で闘っていこうと思います。
是非、お楽しみください。
「大人になったら自由になるから今は我慢しなさい」
大人になってもだな、大多数がガチガチに縛り付けられる未来が待ってんだよ!
何で今我慢する必要があるのか140文字以内で説明しろ!思考停止で縛り付けるだけじゃなくて、「自由」を得る為には「責任」があるということを説け!その上で選択肢を与えろ!サボるな!ボケ!
「ルールを守ることを学ぶ為に必要」
ルールを守ることは大切な価値観かもしれませんがね、そのルールが果たして、子供達の未来や人間形成において、本質的な意味合いを含んでいるかは考えたことあんのか?物事の背景を汲める人間を育てろよ!ちなみに、校内は禁煙ですけど、車の中でしょれっとタバコ吸うなよ?そこのお前だよ!
前髪は眉毛が見える長さ(問答無用)
えーと、馬鹿なのかな?
人間にはね、生まれつきおでこが狭かったり、生えグセパッカーンて分かれたりして、コンプレックスを抱えてたり、作りたくても前髪が作れない人達も沢山いるんだよ!そういう人達に頭ごなしにテンプレートにはめ込んで心理的な負担を背負わせてまでやることなんか?ちょっと繊細さに欠けると思わんのかね!
肩につく場合は結べ。ポニーテールで。
出たよ出たよ。そもそもだな、「肩に付いてるからちょっと結ぼうかな〜」なんてのは本人が選択する事であって、強制されることじゃないんだよ!100歩譲って結ぶのはいいとしてもだな、結び方を指定するのは絶対違うと思うぞ!思考停止の極みじゃねぇか!
耳にかからない、襟足は刈り上げ
もうね、いつの時代の話してます?
そもそもですね、道徳の授業で「みんな違ってみんないい」とか、人それぞれの個性を尊重しましょうね、みたいな「何となく良いこと言ってます風」な授業してんじゃないですか?それなのに、何で髪型だけはみんなと同じ髪型にさせるんですかね?意味不明なんですけども??え??
刈り上げは絶対だが、2ブロックやお洒落を感じさせたらアウト
もうここまで来たら開いた口が塞がらん!
刈り上げろって言われたけん、本当はしたくないのに泣く泣く刈り上げたのにさ、ちょっとお洒落な感じにしたらダメとかどういう事?てかお洒落とお洒落じゃない境界線って何?「高校生らしい髪型」って何?定義して?2ブロックも刈り上げですけどー??刈り上げ絶対とはー???
染めるなら8トーンまで
出た!謎の明るさ縛り!
同じ8トーンでもね、明るく見えたり暗く見えたり色によって全然違うんですよね。結局は、その判断って主観ですよね?その色スケール、美容師的には意味ないですからね?8トーンと10トーンの違い分かる?先生、あなたに分かる?ん??
生まれつきのアイデンティティを大事にしろ
もうお前はハンバーガーとか食うな。絶対。
洋服も今すぐ脱ぎ捨てろ。ずっと十二単衣とか着とけ。
とまぁ、こんな具合にちょっとふざけて書いてみましたが、多様性とか柔軟な価値観の在り方を振りかざす一方で、未だにこういった古いしきたりが存在するのも事実。
これは美容師をしているからそう感じるのか、そうでなかったらこういう思考にはならないのか、そこら辺は分からないけど、別に髪色が明るかろうが暗かろうが、その人の本質は何も変わらないと思うのです。
人の本質は変わらないけど、髪型や髪色が変わる事で、その人の中に良くも悪くも精神的な変化が生まれることは事実であり、そのスペシャルなマジックに魅せられているのが美容師という人種だと思うのです。
髪の毛が黒いさばけない人よりも、髪の毛金髪やけどめっちゃ仕事出来る人の方が良くないか?と思うのは僕だけなんでしょうかね。
第一印象で人は決まる!的なことを言われますけどね、その第一印象すら作られた、あたかもそうであることが正義かのようなある種の洗脳の上に成り立っているということを声を大にして言いたい。
見た目で判断するなとは言わないし、そういう状況ももちろんある。しかし、大事なのはそこだけじゃない何かをちゃんと分かっていることだと思います。
出る杭は打たれる。
たまったもんじゃないですね。
僕は、この日本独特の、周りの空気を読んで、はみ出さないように、はみ出さないように、可もなく不可もない選択をさせてしまうような、個人の可能性を閉じさせるような風習や文化が嫌いです。
多様性を語る前に、そういう所を語って欲しいぜ。
そんな感じでつらつらと。
コメントする